バイオ燃料に対する「批判的」な論調が目立ってきた。小麦、大豆、トウモロコシなどの食糧価格の高騰の一因がバイオエタノールにあると指摘されているからだ。 食糧価格の高騰は、中国やロシアなどの所得増加による需要の増大が一つの原因だが、米国でのバイオエタノール用トウモロコシの作付け面積の拡大による影響が大きい。 バイオエタノール需要拡大への期待から投機資金の穀物市場への流入がトウモロコシの価格高騰を招き、その価格に引きずられてバイオエタノール用のトウモロコシの作付け面積が増え、小麦や大豆の作付け面積が減るという悪循環が起こっているためだ。食糧価格の高騰によって、アフリカの低所得者たちは著しい食糧不足に見舞われ暴動も起こっているが、日本でも飼料の高騰で畜産家はきわめて深刻な打撃を受けている。一方、米国ではバイオエタノール向けのトウモロコシで農家は潤うという富の偏在が際だっている。 バイオエタノールは