いよいよ竜王獲得に王手と、藤井聡太三冠の快進撃が止まらない。「現役最強」とも称される渡辺明名人は、自身にとって脅威となる若き棋士をどう見ているのか。また、「4強時代」と言われる将棋界の勢力図はこれからどう変わるのか。11月12、13日の竜王戦第4局を前に、将棋観戦記者の大川慎太郎氏が渡辺名人に胸の内を聞いた。(全4回の第4回) 【文中一部敬称略】 * * * 藤井から勝ち星を最も多く挙げているのは豊島だ。11月3日現在、豊島の9勝11敗。初対戦から豊島が6連勝し、「藤井の最後の壁」といった報道も見られた。だが藤井は今年の王位戦開幕後から巻き返し、勝ち越しに転じたのだ。藤井は「序盤で苦労することが多い」と豊島の序盤戦術の巧みさをたたえていたが、渡辺は2人の対戦をどう見ているのか。当然、参考にしているはずである。 「豊島さんが勝つ時は、先行逃げ切りが多いように見えます。やっぱり豊島さんが形勢が
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