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富裕層や大企業を優遇し、庶民は重い税金や保険料の負担に追われる国、ニッポン。ただでさえ雇用の非正規化や成果主義の賃金で格差が広がっているのに、政府がさらに輪をかけて低所得層を「税金地獄」に追い込んでいる。朝日新聞経済部が紙面連載をベースにまとめ、筆者も執筆者の1人として名を連ねる『ルポ 税金地獄』で指摘している問題点の1つが税の「抜け穴」だ。 富裕層の間で注目を集めた「ふるさと感謝券」 富裕層は、抜け穴の情報には敏感だ。そのひとつが「ふるさと納税」である。 房総半島の中央にある人口約1万人の千葉県大多喜町。徳川家康の忠臣、本多忠勝が城主となった大多喜城が観光のシンボルだが、最近はふるさと納税でもらえる金券の「ふるさと感謝券」が富裕層の間で注目を集めた。町は2014年12月に返礼品として金券を贈り始め、2015年度の寄付額は前年度の40倍近い18億5500万円と急増した。うち96%が金券を求
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