安倍晋三元首相(67)が街頭演説中に後方から銃撃されて死亡した事件で、当時の奈良県警の警備体制の詳細が捜査関係者への取材で判明した。主に3人の警察官が安倍氏の後方を警戒していたが、人数が急増した安倍氏の聴衆を注視するなどしたため山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の動きに気づかなかったという。もともと奈良県警の警護計画では後方から銃撃されることへの危機感が薄く、警察官の数や配置に問題があったとみられる。警察庁は今月中に検証結果をまとめ再発防止策を作る方針。 事件は7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅北口の交差点で発生した。安倍氏の右後方の歩道にいた山上容疑者は、演説開始後にバスロータリー沿いの歩道を移動。鉄柵の切れ目からロータリーに出て手製の銃を2度にわたって発砲したとされる。