東日本大震災から間もなく2年。「想定外」の福島第一原子力発電所の事故を受けて、地震や津波に対する原発の新たな安全基準づくりが進んでいる。しかし、怖いのは地震だけではない。地震大国の日本は、火山大国でもあるのだ。 噴火で立ち上った巨大な黒い噴煙は、数日後に広がった火口から、さらに太く噴き上がった。やがて、上の部分が崩れるように下降を始め、大地にたたきつけられると火砕流となり、すべるように地上を広がっていった。セ氏1千度近い火砕流は、すべてのものを焼き尽くしながら広がり続け、100キロ以上離れた原発をのみ込んだ――。 まるでパニック映画のワンシーンのようだが、日本にあるいくつかの原発では、起こりえる場面だ。その原発とは、泊原発(北海道)、伊方原発(愛媛)、玄海原発(佐賀)、川内原発(鹿児島)の4つ。東京大学地震研究所火山噴火予知研究センターの中田節也教授がこう警告する。 「4つとも、過去に超巨