1950年代終わりから60年代の始まりにかけて確実にファッションは変わりはじめていた。ユースカルチャーがハイファッションの世界にも取り入れられる象徴的な時代だ。 そもそもファッションは19世紀までは宮廷のもの、20世紀に入っても貴族や一部の富裕層、映画スターが中心。この体制が2度の大戦をまたいで徐々に崩れ始めるのだ。アパレル、既製服業界の発達とも大きく関係がある。流行を作っていたオートクチュールのパターンが変化。ファッションはアメリカに代表される広範囲な消費者層を相手にする既製服産業への路線を歩んでく。変化を生み出したのは既製服を着る若者の文化。変化を求めて新しいものを取り入れようと考える若者と、それに答えるようなアパレル企業が増えていく。このようなことからオートクチュールより先に若者のファッションが先行するといった事態さえ生まれてくる。 シンプル is ベストイヴ・サンローラン 「極度に