【郡司達也】滋賀県高島市の上御殿(かみごてん)遺跡で、弥生中期から古墳前期(紀元前350年〜紀元300年)とみられる、国内初の双環柄頭(そうかんつかがしら)短剣の鋳型が見つかった。県文化財保護協会が8日発表した。 【写真】2枚の鋳型をそれぞれ使った短剣の完成予想図=滋賀県教委提供 柄の先に二つの輪が付き、剣身が直線状のデザインは朝鮮半島でも出土例がない一方、春秋戦国時代(紀元前8〜同3世紀)の中国北方騎馬民族が使った「オルドス式短剣」と類似している。伝達ルートなど当時の青銅器文化に一石を投じる発見だ。 鋳型はシルト岩製で、2枚が重なった形で出土。いずれも長さ約30センチ、幅約9センチで厚さは4センチ前後。柄と剣身を一度に鋳造するタイプだが実際に鋳造した痕跡はなく、短剣自体も出土していない。 短剣は柄の先に直径2・3センチの二つの輪を持ち、剣身は直線。鍔(つば)がなく、柄に国内の銅鐸(