どうしようもなく新宿だった。 学生の身分にある20歳の僕は、生活費の80%以上を親に頼っている。 それでも、自分の飲食費や書籍代、交遊費、Adobeに払う月額料金くらいは稼ごうと思い、ある会社で調査・資料作成のインターンをしている。誰にでも出来る、インターネットを使った調べごとだ。だんだんうまくはなっていると思うけれど、まだまだ僕の技術は遅い。プロのリサーチャーがやったらもっと早く情報をまとめられるんだろう。 その仕事、時給1000円。 東京なら普通かな。 ありがたいことに、スケジュールは完全に僕の都合で入れさせてもらっている。 これで、僕は月に数万円をなんとか稼いでいるという現状がここ数ヶ月横たわっている。 他にバイトをする元気も時間もなく。 僕は今日もそこにいた。 ビル風が強く吹きすさぶ。 それはそれはどうしようもなく新宿だった。 人間は自らを拡張すると同時にその全てを構造化されていく