タグ

ブックマーク / mb101bold.cocolog-nifty.com (12)

  • ユニクロは、日本の人民服である。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    私、恥ずかしながら、って恥ずかしがる必要はないんですが、ユニクロのヘビーユーザーです。「ユニばれ」という言葉があるように、物のオシャレさんにとっては、あまり褒められたものじゃないけど、ユニクロって、便利でそこそこオシャレなんですよね。安価だし。 ユニクロがいまこうしたブランドになった経緯は、ファーストリテイリング会長の柳井正さんの著書『一勝九敗』(参照)に書かれていますので、興味のある方はを読んでみてください。広告業界にいるものとしては、やはり、ワンデン+ケネディのクリエイティブディレクターであるジョン・ジェイさんとの出会いが大きかったんだろうと思います。 で、私がワイデンがつくったユニクロの広告について得意な顔して語るのは、同業のはしくれとしてはあまりにも辛すぎるので(だって、素晴らしすぎるんだもん)やめときますが、私は、なんとなく、ユニクロって、戦争が終わっていろいろ苦労した末に、

    ユニクロは、日本の人民服である。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
  • ほしいものは、何ですか。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    前回のエントリ「糸井重里さんの重さ」で、西武百貨店の「ほしいものが、ほしいわ。」というコピーについて触れました。あのコピーは、私にとっては相当なインパクトがあって、「不思議、大好き。」から「おいしい生活。」と来て、「お手は、自然界。」になり、そして、1988年の「ほしいものが、ほしいわ。」へと至る消費社会の変遷、あるいは欲望のあり方は、ある意味で、それこそ自然の摂理というか、正しい歴史段階を示しているような気がして、そのぶん、ああ、この先はもうないかもしれない、という思いも深かったのですね。もしかすると、それほど俯瞰した長期の過程ではなく、そういう流れを、20年周期くらいで繰り返すにすぎないのかもしれませんが。 「ほしいものが、ほしいわ。」というコピーは、「ほしいものが、ほしい。」という西武百貨店の年間スローガンになり、その年度に様々な広告が展開されました。たとえば、こんなコピーで。 う

    ほしいものは、何ですか。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    gatya45
    gatya45 2014/09/17
  • ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね): 糸井重里さんの重さ

    コピーライターの時代がありました。言葉を武器に、ひたすら言葉が紡ぎ出す世界を付加価値にして、コピーライターという職業は時代の寵児になっていきました。いま思えば、それはバブルだったのかもしれません。その付加価値には、きっと広告が含まれていなかったのだと思います。小説家、詩人、作詞家、そして、コピーライター。言葉のプロフェッショナルを指向してはいても、それは広告のプロフェッショナルを指向してはいませんでした。 けれども、あの時代はそれでよかったのでしょう。それでもものが売れました。あの時代から少したって、つまり、バブルが崩壊する真っ最中に、私はコピーライターになりました。CIプランナーからの転身だったので、時代の寵児としてのコピーライターにはあまり興味はありませんでした。うまいコピーはうまいと思いますが、そこに憧れはなかったような気がします。 そんな中、これはまいったなと唸らせられたのは、糸井

    ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね): 糸井重里さんの重さ
    gatya45
    gatya45 2014/09/17
  • パッケージングの問題 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    パーソナル領域のデジタル技術が成熟してきて、見えてきた問題があるように思います。 読書という体験に関しても、いまだ試行錯誤中だと言えどもデジタルでほぼ再現できるようになってきました。映像に関しても、YouTubeでみんなが楽しんでいます。子供を持つ親から聞く話では、テレビでアンパンマンを見ながら「パパ、今のもう1回見る」なんて言うそうです。生まれたときからパソコンがある環境で育った子供たちは、YouTube的な見たいときに何度も好きな映像を見られるということがネイティブになってきているようです。 アナログのレコードがCDになったとき、音楽ファンからはこんな話がでました。 「ジャケットが小さくなるのがさびしいよねえ。」 もちろん、それよりももっとあったのは、圧縮されたデジタルデータだから音質が悪くなるというような話でしたが、質がいいのに越したことはないけれど、日常の生活においては、多少の質の

    パッケージングの問題 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
  • キャズムの超え方 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    AppleからiPadが発表されました。 新しもの好きのPCユーザーにとっては、なんとも複雑な製品ですね。だって、タブレットPCでしょ、今までにもあったでしょ、って涙目で愚痴りたくなりそうな感じです。確かに薄くなって、解像度も上がって、きっと稼働時間も長くなって、OSも使いやすくて、ソフトも豊富。だけど、タブレットPCじゃねえかよ、なんて思っている人も多いのではないでしょうか。 iPhoneの時もそうでした。欧米ではBlackBerryがあって、日ではW-ZERO3がすでにありました。それこそ、ケータイとPCの融合は、Windows CEが先行していたはずです。モバイルコンピューティングに限って言えば、Windows CEの果たして来た役割は大きいと思います。思いますが、キャズムを超えられなかったのは、やっぱり事実なんでしょうね。iPodもそうですよね。Appleが初めてのシリコンオーデ

    キャズムの超え方 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
  • ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね): 川瀬さんの言葉

    面識もないし、表現技術の分野で言えば、私はそれほど影響も受けていないのですが、とある外資系広告代理店のクリエイティブに川瀬稔さんという大先輩がおられました。ボルボのグラフィック広告「安全ピン」でカンヌグランプリを穫った人というと分かる人はいるんじゃないでしょうか。 コマーシャル・フォトという業界誌に今月の優秀作を集めたマンスリーというコーナーがあって、一人の評者が優秀な広告を批評するのですが、川瀬さんが評者だったときにお書きになったあとがきみたいな短い文章が頭の中から離れずにいました。少し辛口なその言葉は、いつも私の心のどこかを刺激しつづけていてました。 ずいぶん前の文章だから、もう読むことがないだろう、と思っていたのですが、今日、アートディレクターとその話をしていたとき、彼女はその雑誌の切り抜きをきちんとファイルしていて、再び読むことができました。辛口なので人によっては反発もあるかもしれ

    ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね): 川瀬さんの言葉
    gatya45
    gatya45 2009/01/29
  • この人にはぜったい勝たれへん - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    そんなふうに思ったことが何度かあります。そんなに多くないけど。大学時代はジャズをやっていて、やっていくうちに、ああ、この分野、自分にはまったく才能がないな、と気づきました。そういうことに気づくには、けっこう練習を重ねて、それなりに個性的なバンドサウンドができてきて、聴く人が「君らのバンドは独特の音だね。いいよね。」なんてほめてくれるまでかかりましたけど。下手っぴのままでは、才能がないことさえわからないものです。不思議なもので。 でも、それは、この人にはぜったい勝たれへん、みたいなことではありませんでした。そんな気持ちにさせられたのは、仕事として広告の制作をしはじめてから。いちおう、これでもお金をもらって広告をつくらせてもらっていて、それなりの自信も自負もある、そんな感じの自分の中に、「ああ、この人にはぜったいに勝たれへんな」という気づきは、猛烈な痛みとなって入ってきます。 まあ、私なんかは

    この人にはぜったい勝たれへん - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    gatya45
    gatya45 2009/01/23
  • そう言えば、うちの母にも部屋はなかったなあ。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    増田さん(はてな匿名ダイアリーの匿名さんを増田さんと言います)の「母には自分の部屋が無い」を読んで、そういえば、私の母にも自分の部屋はなかったことを思い出しました。私の実家は、大阪市内のマンション。リビング&キッチン、6畳の部屋が2つ、4畳半の部屋が1つ。家族構成は、父、母、私、妹の4人。いわゆる核家族というやつですね。 私と妹が小さかった頃は、6畳の部屋が子供部屋で、あとは共有部屋で、父も母も特定の部屋はありませんでした。父は、4畳半の部屋で寝転んで、障子を開けて、リビングのテレビを見ていることが多かったです。専業主婦の母は、キッチンとリビングが居場所という感じ。 今でこそ、近くに大きなパークマンションができて、若い家族がたくさん住む今風な街になっていますが、当時は、ほんと下町という風情だったので、まわりの人もそういう感じの人は多かったように思います。父は自営業。日中は近くの商店にいたの

    そう言えば、うちの母にも部屋はなかったなあ。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
  • 。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    私のエントリのタイトルには、「。」がついているのが多いです。それは、私がコピーライター系だからなんでしょうね。土屋耕一さんの世代は、キャッチコピーに「。」をはぶくことが多いように思いますが、それ以降の世代は、かたくなにコピーに「。」をつけたがるようです。「。」がつくとコミュニケーションのための言葉という感じがします。「。」がつかないと、タイトルというか、フレーズというか、そんな感じ。 そういえば、我々の世代はキャッチコピーと言いますが、その上の世代はキャッチフレーズと言いますよね。今日、電車に乗っていると、山田優さんが出演するユニクロのワンピースのポスターが貼ってあって、そのキャッチコピーが、たしかこんな感じでした。 ユニクロのワンピース。 あえて「。」をつけてるんですよね、きっと。「。」をつけることで、タイトルちゃいまっせ、メッセージでっせ、ということを、このコピーを書いたコピーライター

    。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    gatya45
    gatya45 2008/09/25
  • 41のおっさんが「若い時、やっときゃよかった」と思う10のこと - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    ブログっぽいタイトル。こんなの書いてみたかったんですよね。10のこと、というのがブログっぽいですよね。ところで、41はおっさんでしょうか。自分ではおっさんとは思っていないのですが、まあ41はおっさんなんだろうな。でもね、41なんて、すぐ来るよ。あっと言う間だから。でね、41にもなると思うわけですよ。ああ、若い時、あれやっときゃよかったな、と。終電で帰って来て、中野の吉野家で牛丼べながらしみじみ思うわけですよ。やろうかな、と思うこと、やっとくほうがいいですよ。ほんと。 *     *     *     * 第10位:歴史の勉強 私、学生時代はずっと歴史が嫌いな科目でした。暗記中心でしょ。なんで見れば書いてあること、覚えなきゃいかんのだろう。そう思っていました。だから大学受験も現代社会を選択しましたし、大河ドラマもあまり好きではありませんでした。でもね、この年になると、いろんなことが歴史

    41のおっさんが「若い時、やっときゃよかった」と思う10のこと - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    gatya45
    gatya45 2008/09/15
  • いい空気をつくる人。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    ブログのエントリと広告は似ているところがあって、人がこれは自信があると思って書いたものがあまり評判にならなかったと思えば、何気なく書いたものが思わぬ評価を得ることがあって、そんなコントロールのできなさ加減がなんだかせつないものがありますね。広告の場合は、やはり職なので、わりあい意識して狙いにいきますが、ブログのほうは、毎日機嫌良く書ければいいやと思っているところに違いがありますが。 長いこと広告稼業をやっていると、それなりに評判になった広告をつくる機会もあるわけで、まあそんなに有名なクリエーターでもないので、多くの人は知らないけれど、業界の人に見せると、ああ、あの広告をつくった人なんですか、なんてこともあります。でも、そんな世間の評価みたいなものを度外視して自薦でお気に入りの広告を選んだら、私の場合、見事に何の評価も受けずに消えてしまった広告ばかりです。まあ、消えてしまったといえども、

    いい空気をつくる人。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
  • ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね): 「死」のイメージがどこかに隠されていると、広告はヒットする。

    まあ、これはたわごとだと思ってください。だから何、という話なので。 ヒット広告の中には、ある種の共通性があって、そのひとつは「死」のイメージだったりするのよう気がします。前回のエントリで取り上げた東京ガスのCMにも、それがありますよね。歴史によって死を運命付けられた信長が、ガスパッチョな楽しい現代の生活と別れを告げるときに「達者でな」と言うんですよね。私、あのCMを見て、ゾクッとしました。 フロイドの精神分析などを借りると、一応、エロス/タナトスみたいな説明はつけられると思いますけど、とりわけに日の場合は、その死のイメージを想起させる広告が多いような気がするんですね。これは、欧米に比べ、日が感覚的なコミュニケーションが好まれるからのような気がします。欧米は、かなり知的な説得が好まれるような気がします。これは、欧米のCMが長尺が多く、日は30および15秒の短尺が中心であることにも起因し

    ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね): 「死」のイメージがどこかに隠されていると、広告はヒットする。
    gatya45
    gatya45 2007/10/22
  • 1