でもまさに、西洋絵画は真正の意味で、キャンバスの上に編み込まれた無数の情報の集積なんです。例えば最近東京カメラ部という写真グループが、YouTube上で「名画から学ぶ 〜写真の見方、撮り方〜」というシリーズを展開しています。 これは写真という芸術が、その構図の撮り方から光の見せ方まで、西洋絵画からほぼ全てその基本的な概念を借りているから成立する企画なんですが、これらを見てもわかるように、西洋絵画はモチーフの見せ方や色の使い方、導線の引き方は構図の見せ方など、キャンバス上で展開される技法の全てが理論化されています。 つまり、一枚の名画には、古今東西の技法という圧倒的な「情報」が凝縮していて、西洋画を見るということは、その知識を使って、一枚の絵をまるで一冊の小説のように読み解くことなんです。 よく「ピカソの絵なんて落書きみたいやん」って言われたりしますが、それは上記のような「キャンバスの上に蓄