中華思想と言う単語でTwitter検索をすると、まるで中国共産党が中華思想に沿って対外拡張政策を取っているかのような呟きが多く見られる。中国も調印しているはずの国連海洋法条約を無視した主張を繰り広げている中国共産党が、躊躇無く周辺各国と紛争を起こし、手前勝手な主張をしている事は確かだ。しかし、中国共産党が中華思想に沿っていると言うのは誤りだ。中国共産党の理論構成は、決して中華思想では無い。 1. 中華思想は漢民族と夷狄の領域を区切る世界観 そもそも中華思想とは何であろうか。天子を中心に漢民族が中央にいて、その周辺を夷狄(東夷、西戎、北狄、南蛮)が囲んでいる世界観のことだと認識されている。中国では華夷思想と言うらしいので、華人(=漢民族)と夷狄の対立構造が込められている。恐らく進歩人である豊かな漢民族と、野蛮人で略奪に来る匈奴の間に頻発する衝突を、発展させていったのだと思う。時代によって細か