この正月、WHOの中絶ガイドライン"Safe Abortion"第2版の翻訳チェックをボランティアで手伝っている。日本の中絶情報を調べていくと、英語で得た情報と食い違うことがしばしばあるのだが、今回もひとつ行き当たった。 WHOの"Safe Abortion"には、"dilatation & curettage(D&C)"と"dilatation & evacuation(D&E)"が出てくる。ところが、方法的には非常に似ているこの2つについて、WHOは全く異なる扱いをしている。妊娠12週までの外科的中絶でD&Cを使うことは推奨されておらず、吸引か中絶薬に置き換えるべきだと明示している一方で、妊娠12週を超える外科的中絶ではD&Eが推奨されているのだ。私の理解では、この2つの主な違いは、妊娠週数と胎盤鉗子(forcep)を使うかどうか、そして吸引を併用するかどうか(D&Cは併用しない)だ。