セクシュアル・マイノリティの問題と図書館への期待 子どもの当事者の目線から 「学校の図書室にあったって、まず手は出ないよね。」と当事者の一人が言うと、周囲から賛同の声が次々と上がった。コミュニティのイベントで当事者情報流通に関するアンケート(1)を取ったときのことだった。 セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)(2)は地域・文化を問わずどこの社会にも5%程度は存在することが知られるようになったが、その特徴のひとつは、「見かけだけからはわからない」ことだ。もしかすると自分もセクシュアル・マイノリティの当事者か、と思った子どもの一部は本を参考にしようとするが、自分のことがわかるかどうかよりも「他人にそういう人だと思われない」ことのほうが、多くの場合彼ら彼女らには重大で、そのような本を切望していればいるほど手に取りにくい。学校生活、テレビや雑誌などのマスコミ、そしてときには家庭内にも、セクシ