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2021年1月30日のブックマーク (1件)

  • 綾野剛は“演じる”のではなく役を“生きる” 集大成となった『ヤクザと家族』に至るまで

    最新作『ヤクザと家族 The Family』を、綾野剛はいま現在の自分の「集大成」だと言う(※1)。作で彼が演じるのは、天涯孤独の身となったところをヤクザの組長に拾われる山賢治。情の篤い組長とのあいだに疑似父子関係を築くが、やがて時代の変化に翻弄されることになる彼の20年間を、映画は1999年、2005年、2019年の三つのパートに分けて語っていく。 山は1982年生まれの綾野とほぼ同年齢。無鉄砲さの裏によるべなさが見え隠れし、ついには組長の前で痛々しいもろさを露呈させた少年は、やがて信頼を集め、貫録を身に着けた大人の男へと成長していくが、ある種の渇きが彼から抜け落ちることはない。その渇きはあるときは狂気すれすれの暴力として発現し、あるときは彼を諦念へ、あるいは無私の愛情へと導くことになる。 山賢治の役には、過去に綾野が演じた数多くの役の要素が見て取れる。綾野剛は変幻自在の俳優とし

    綾野剛は“演じる”のではなく役を“生きる” 集大成となった『ヤクザと家族』に至るまで