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ブックマーク / realsound.jp (81)

  • 電気グルーヴ、aiko×井口理……オールナイトニッポン55周年番組を振り返る 昭和から令和までを繋ぐラジオという存在

    ラジオ番組『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)の放送開始55周年を記念し、2023年2月17日から3日間オンエアされた『オールナイトニッポン55周年記念 オールナイトニッポン55時間スペシャル』。その多くのタイトルがSNSでトレンド入りを果たすなどさまざまな話題を振りまき、あらためて同番組の影響力の強さが実感できた。 番組全体から筆者が感じたのは、ラジオというコンテンツを通して昭和から令和までの時代をつないでいたということだ。今回の『オールナイトニッポン55時間スペシャル』では、それぞれのパーソナリティが過ごした時代に起きていたことが話された。テレビで放送される昭和・平成・令和特集は各世代間のギャップなど「分断」がテーマになっていることが多い一方で、『オールナイトニッポン55時間スペシャル』は、3日間ほぼぶっ通しで放送されたこともあり「すべての時代と物事は地続きにある」ということが強く

    電気グルーヴ、aiko×井口理……オールナイトニッポン55周年番組を振り返る 昭和から令和までを繋ぐラジオという存在
  • 綾野剛イヤーが続く2020年代 ドラマに映画、トップギアで走り続けるその魅力と役者人生

    現在放送中のピカレスク・エンターテインメント『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ系)での縦横無尽な演技力が話題となっている綾野剛の快進撃が止まらない。昨年大ヒットした『MIU404』(TBS系)で高く評価され、今年は『ホムンクルス』含めた主演映画が2公開&3のドラマに出演、さらに来年にはNetflixシリーズ『新聞記者』(2022年1月13日より配信)も控えるが、このほとんどで主演を務めているのだ。そこで今回は、トップギアで走り続ける綾野の魅力とその役者人生について振り返ってみたい。 実はこの爆走ぶりは今に始まったことではない。綾野はモデルや音楽活動を経て、2003年に『仮面ライダー555ファイズ』(テレビ朝日系)の澤田亜希/スパイダーオルフェノク役で俳優デビュー。キャンドル・アーティストの青年を演じた長編初主演作『Life』 (2007年)では、楽曲も担当している。当時の彼は長髪の中

    綾野剛イヤーが続く2020年代 ドラマに映画、トップギアで走り続けるその魅力と役者人生
  • 『お耳に合いましたら。』に凝縮された幸せな時間 「一人ではない」というメッセージ

    毎話観終わったらじんわり涙してしまうドラマがある。木曜日深夜0時30分から放送中の『お耳に合いましたら。』(テレビ東京系)だ。 作は、テレビ東京がオーディオストリーミングサービス「Spotify」と共に、Podcast番組と連動させたオリジナルドラマである。映画『サマーフィルムにのって』のヒロイン役も鮮烈だった伊藤万理華が演じる主人公・高村美園が、大好きなチェーン店グルメ・通称「チェン飯」について語るポッドキャストを始め、パーソナリティとして成長していく物語だ。なぜこのドラマは、こんなにも多幸感に満ちているのだろう。その謎を解き明かしてみたい。 作の面白さの最たるところは、「一人の世界が一人ではなくなっていく」ことを目の当たりにすることだ。「ラジオ/Podcast」と「チェン飯」という美園の「好きなもの」は、来彼女が一人で向き合っていたものだった。 初回において、彼女は緊張しながら、

    『お耳に合いましたら。』に凝縮された幸せな時間 「一人ではない」というメッセージ
  • 星野源、これまでとは違う音楽の地平へ 「創造」と「不思議」で語る“新しい星野源”

    星野源が、シングル『不思議/創造』を6月23日にリリースする。2018年のシングル『ドラえもん』以来となるパッケージリリースとなる今作は、TBS系火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』主題歌の「不思議」、スーパーマリオブラザーズ35周年テーマソングの「創造」そして、『第71回NHK紅白歌合戦』で披露された「うちで踊ろう(大晦日)」の新録、TBSラジオ『バナナマンのバナナムーンGOLD』の企画で制作された「そしたら」の4曲が収録される。 今回の取材では、聞き手に高橋芳朗氏を迎え、昨年の緊急事態宣言下からの星野源の制作環境の変化から「折り合い」、「Good in Bed (Gen Hoshino Remix)」(デュア・リパ)そして「創造」と続いてきた音楽制作の過程をインタビュー。同時に『Same Thing』とはまったく違う場所にたどり着いたという自身の音楽について、「不思議」「創造」を軸に

    星野源、これまでとは違う音楽の地平へ 「創造」と「不思議」で語る“新しい星野源”
  • 成馬零一 × 西森路代が語る、ドラマ評論の現在地【前半】:批評する人は本当のオタクではないのか?

    コロナ禍で迎える2度目の春、テレビコンテンツに主題をとった2つの書籍が刊行された。成馬零一氏による『テレビドラマクロニクル 1990→2020』(PLANETS/第二次惑星開発委員会)と西森路代氏が執筆者として参加した『「テレビは見ない」というけれど エンタメコンテンツをフェミニズム・ジェンダーから読む』(青弓社)だ。そこで今回はリアルサウンド映画部でのドラマ評などでもおなじみのふたりに、ドラマ批評そのものについて自由に語り合ってもらった。(宮田文郎) 批評の必要性、批評をする動機 西森:『テレビドラマクロニクル 1990→2020』はいつから書いてたんですか? 成馬:ベースになったメルマガでの連載は2018年から2年程続けて、終わったのがコロナ禍の広がりと同時期の2020年4月でした。単行にするための構成や加筆修正について話し合ったのが7月頃ですね。野島伸司、堤幸彦、宮藤官九郎の3人の

    成馬零一 × 西森路代が語る、ドラマ評論の現在地【前半】:批評する人は本当のオタクではないのか?
  • 成馬零一 × 西森路代が語る、ドラマ評論の現在地【後半】:価値観が変化する時代、“物語”が直面する課題とは

    成馬零一 × 西森路代が語る、ドラマ評論の現在地【後半】:価値観が変化する時代、“物語”が直面する課題とは ドラマやバラエティなど、数多ある番組のチェックは全録の導入でとても楽になったと語る西森路代氏とネット配信を活用しているという成馬零一氏。ともにテレビコンテンツに関する作品を刊行したばかりのふたりが対談を進めるなかで、話題になったのがドラマをはじめとするテレビ番組やそれぞれの批評における表現のあり方。今回はその話を中心にお届けする。(宮田文郎) 「ドラマ批評」について2人が語り合った対談前半はこちら 韓国のエンタメと日のエンタメ、それぞれの姿勢 西森:私は常に韓国と日の作品を比べながら見てるんですけど、そのなかで感じるのは韓国ドラマが好きな人は、日のドラマをなかなか見ていなくて。でも、韓国ドラマとか韓国映画が好きな人こそ、面白いと思うような作品ってけっこうあるので、そういう作品も

    成馬零一 × 西森路代が語る、ドラマ評論の現在地【後半】:価値観が変化する時代、“物語”が直面する課題とは
  • 星野源、アットホームな空間作りと貴重な選曲で届けた『YELLOW PASS Live Streaming “宴会”』

    星野源が、3月6日夜、ライブ配信『YELLOW PASS Live Streaming “宴会”』を開催した。 この配信は、星野源が年に1回発行するオフィシャルイヤーブック『YELLOW MAGAZINE』に付属のWEBサービス「YELLOW PASS」に登録している会員のみ視聴できる有料の無観客オンラインイベントで、前半はライブ、後半はトークと二部構成になっている。また、後半のトークパートはサポートメンバーとともに事しながら語り合うという文字通りの“宴会”が繰り広げられ、星野ら出演者と酒をともにしている気分を味わえる特別イベントだ。 まず最初に、屋根裏部屋のような狭い場所からライブは始まった。が無造作に置かれたアットホームな雰囲気の空間で、椅子に腰掛けた星野がギターを抱えている。披露したのは1stシングル曲「くだらないの中に」。ちょうど10年前にリリースしたこの曲は、今聴くとまた凄

    星野源、アットホームな空間作りと貴重な選曲で届けた『YELLOW PASS Live Streaming “宴会”』
  • 星野源が明かす、「創造」の背景にある創作へのスタンス「自分と他者との間に流れる川に橋をかける行為」

    人間は“遊ぶ”ために生まれてきたんじゃないか ーーところで、この曲には“遊ぶ”という言葉が何度も登場しますよね。星野さんにとって“遊ぶ”ことはどれくらい重要なことですか? 星野:人間ってすごく変な生き物だと思っていて。余計なことをしてしまうというか、余計なことを思い付いてしまう生き物だと思うんですよ。 ーー余計なこと? 星野:たとえば、縄文土器。べ物をべるためや、何かを入れるための器にあんな装飾は必要無いじゃないですか。でも、あんなにトゲトゲしい器を作って、大事にする。あんなの絶対に使いにくいのに(笑)。 ーー言われてみれば確かに、単にべるだけなら模様やデザインは必要ないです。 星野:でも、人間はそこに美しさや楽しさや価値を見出せるんです。人間って頭脳があるからどうしても生きる意味を求めてしまったり、何をすべきだとかいろいろと考え込んでしまうんだけど、結局は何か綺麗なものや面白いもの

    星野源が明かす、「創造」の背景にある創作へのスタンス「自分と他者との間に流れる川に橋をかける行為」
    gdno
    gdno 2021/02/22
    “『はずれ者が進化をつくる』というタイトルの本を見つけて、合ってた!って(笑)。農学博士の方が書いた学生向けの本なんですけど、すごく良い本でした。”
  • 星野源が明かす、「創造」の背景にある創作へのスタンス「自分と他者との間に流れる川に橋をかける行為」

    昨年「うちで踊ろう」で一大旋風を巻き起こした星野源。2010年のソロデビューからちょうど10年という節目の年に、彼らしく時代に合った形で花を添えていた。大晦日の『NHK紅白歌合戦』で新たに2番を加えたフルバージョンの歌唱も記憶に新しい。そんな彼がこの度、新曲「創造」をリリースした。 「創造」は、『スーパーマリオブラザーズ』の35周年テーマソングとして人出演のテレビCMでも使用されている楽曲。ゲームの効果音や任天堂の作品を彷彿とさせるフレーズが散りばめられたことで、曲全体が楽しさで満ち溢れている。ゲームに心躍らせた幼い頃のみずみずしい感動が蘇るようだ。 この曲を作るにあたって彼は「久しぶりに腰を据えて作れる作品になったので生半可なものは作りたくない」と自らに高いハードルを課したという。曲に込められたマリオへの愛、影響を受けたという任天堂の物作りの精神、そして歌詞の背景にある自身の経験などを

    星野源が明かす、「創造」の背景にある創作へのスタンス「自分と他者との間に流れる川に橋をかける行為」
  • 綾野剛は“演じる”のではなく役を“生きる” 集大成となった『ヤクザと家族』に至るまで

    最新作『ヤクザと家族 The Family』を、綾野剛はいま現在の自分の「集大成」だと言う(※1)。作で彼が演じるのは、天涯孤独の身となったところをヤクザの組長に拾われる山賢治。情の篤い組長とのあいだに疑似父子関係を築くが、やがて時代の変化に翻弄されることになる彼の20年間を、映画は1999年、2005年、2019年の三つのパートに分けて語っていく。 山は1982年生まれの綾野とほぼ同年齢。無鉄砲さの裏によるべなさが見え隠れし、ついには組長の前で痛々しいもろさを露呈させた少年は、やがて信頼を集め、貫録を身に着けた大人の男へと成長していくが、ある種の渇きが彼から抜け落ちることはない。その渇きはあるときは狂気すれすれの暴力として発現し、あるときは彼を諦念へ、あるいは無私の愛情へと導くことになる。 山賢治の役には、過去に綾野が演じた数多くの役の要素が見て取れる。綾野剛は変幻自在の俳優とし

    綾野剛は“演じる”のではなく役を“生きる” 集大成となった『ヤクザと家族』に至るまで
  • 星野源、「うちで踊ろう(大晦日)」に表れた“価値観のアップデート”の結実 ソロ活動で一貫して歌ってきたテーマ

    星野源、「うちで踊ろう(大晦日)」に表れた“価値観のアップデート”の結実 ソロ活動で一貫して歌ってきたテーマ ……というのはいささか短絡的だが、少なくとも当時と今現在はそうだし、「Family Song」や「恋」にしても、多様化の加速する社会の中で一歩一歩着実に価値観をアップデートさせているように見えた。その意味において、歌そのものとしても、取り組みとしても、社会にもたらした効果としても、長年の積み重ねが結実したのが「うちで踊ろう」だったように思う。表面上は自粛期間の退屈を紛らす娯楽だったこの歌は、これで明確に社会との向き合い方の歌になった。 「ありがとう」と叫び大きく腕を広げた最後のシーンで、明滅する無数の照明が一斉に光り輝いたとき、あの企画を真っ直ぐに受け取った人々の思いがステージに形になって現れたような気がした。 2021年がはじまる。世界を襲う未曾有の災禍は未だ収束の気配を見せない

    星野源、「うちで踊ろう(大晦日)」に表れた“価値観のアップデート”の結実 ソロ活動で一貫して歌ってきたテーマ
  • 『MIU404』の“誠実さ”、異例の朝ドラ『エール』 2020年を振り返るドラマ評論家座談会【前編】

    新型コロナウイルスの感染拡大により、未曾有の事態に陥った2020年。ドラマ界にもその影響は大きく、朝ドラ、大河ドラマ、4月クールドラマのほとんどは撮影が中断、放送が延期となった。それでもリモートドラマや新たな撮影方式など、作り手たちの工夫と熱意により、10月クールドラマは無事に最終回を迎えることができた。 異例の1年を終えた日のドラマ界を振り返るため、7月に行った座談会(『野ブタ』の先駆性、“ベスト再放送”の『アシガール』……コロナ禍を振り返るドラマ評論家座談会【前編】/宮藤官九郎、坂元裕二、野木亜紀子は今後コロナ禍をどう描く? ドラマ評論家座談会【後編】)に続き、ドラマ評論家の成馬零一氏、ライターの木俣冬氏、田幸和歌子氏を迎えて、座談会を開催。前編では、それぞれのベストドラマ、SNSがドラマに与える功罪、そして朝ドラ『エール』について語り合ってもらった。 コロナ禍とどう向き合うか 『光

    『MIU404』の“誠実さ”、異例の朝ドラ『エール』 2020年を振り返るドラマ評論家座談会【前編】
  • 『MIU404』の裏テーマは“正義を語る”だった 脚本家・野木亜紀子が裏話とともに明かす制作秘話

    ――実際に“nogi note”でも、「スタッフからアイデアを募り」という部分もありましたね? 野木:『MIU404』は、もともと14話という少し長いドラマを予定していたので、「これ書いてほしいみたいなネタがあれば書くよ」と言ってあったんです。そうしたら塚原あゆ子監督がスタッフからアイデアを募ってくれたり、新井順子プロデューサーからも簡単な箇条書きをもらったんですよ。もらったんですけど、どれも当に一行程度のアイデアなので「これをどうしろっていうんだ!?」というものばかりで(笑)。「どこかで使えるところがあったら使うよ」なんて言ってたなかで使ったのが、7話のあの部分でしたね。 ――「撮影前日滑り込みでお願いした」というお話もありましたが、ギリギリでアイデアを反映させていくというのも興味深かったです。 野木:全く褒められることじゃないんですけど、執筆と並行して撮影していると、ときどきあるんで

    『MIU404』の裏テーマは“正義を語る”だった 脚本家・野木亜紀子が裏話とともに明かす制作秘話
    gdno
    gdno 2020/12/27
  • 『MIU404』の裏テーマは“正義を語る”だった 脚本家・野木亜紀子が裏話とともに明かす制作秘話

    ドラマ『MIU404』(TBS系)のBlu-ray&DVDが、12月25日に発売を迎えた。大人気ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)チームの再集結、綾野剛と星野源のダブル主演と、放送開始前から注目を集めていた作。新型コロナウイルスの影響による撮影中止、放送延期、話数の調整……と様々な困難を前にしても、エンタメの力を信じ続ける作り手の気概に、多くの視聴者が胸を熱くした。その気は、Blu-ray&DVDにおいても例外ではない。 ディレクターズカット版全11話(540分)に加えて、特典映像はなんと180分。放送時間上泣く泣くカットした未公開シーン、微笑ましいNG映像、主要キャストのロングインタビューにHappy Birthday Movie……また、特典音声として最終話には、綾野剛×星野源×脚家・野木亜紀子×監督・塚原あゆ子によるオーディオコメンタリーを収録。さらに封入特典として、脚家・

    『MIU404』の裏テーマは“正義を語る”だった 脚本家・野木亜紀子が裏話とともに明かす制作秘話
  • 綾野剛×北川景子が築き上げた“完全シンクロ”な関係性 同期のような居心地の良さを明かす

    ーーそういうときはどうしていたんですか? 北川:剛さんの答えが出るまでとにかく待っていました。 綾野:はい。待ってくださいました。(笑) 北川:逆に私は、お芝居で1回自由に暴れてくれと思っていました(笑)。1回ちょっと自由に暴れてもらって、私がそれに合わせることが多かったです。説明したり話し合ったりするよりも、まず動いてみたいタイプでもあるので。 綾野:よくわかってる。母性の人です。 北川:1回やってみればいいのに、考え込んでるときもあるんです(笑)。「たぶんできるからやってみればいいのに!」と思いながら見ていたこともありましたね。いざやってみたら、さっきは監督と話こんでいたのに、すんなりいくこともあったりして。でもたぶん動いてみる前に話し合うことで、エンジンをかけている部分もあるのかな。 綾野:僕は役や現場によってスタンスが変わるのでそこも全部バレてます(笑)。もう当、転がされてます(

    綾野剛×北川景子が築き上げた“完全シンクロ”な関係性 同期のような居心地の良さを明かす
  • 星野源が『おげんさんといっしょ』で挑み続ける文化の継承 第4弾放送から感じた“豊かさ”の意味

    「始まったときはどうなることやらと思ったけれども、4年も続いてるわよ」 「『お父さんになってください』って言われたときには何を言ってるんだろうって思ったけど」 そんなおげんさん(星野源)とお父さん(高畑充希)のまったりとしたトークで始まった『おげんさんといっしょ』(NHK総合)の第4弾。「Twittrend」によると今回も放送中、Twitterの世界トレンド1位に輝くほど、大きな反響だった。 「会えたね!」とお父さんが喜び「同じスタジオでやれるのが嬉しい」とおげんさんが言うように、今年はコロナ禍により、5月にパペットを使いリモートで収録された『おげんさんと(ほぼ)いっしょ』以来の放送となった。 1曲目に披露されたのは「ばらばら」。おげんさんの家の欄間額にずっとタイトルが掲げられていたもので満を持して歌われたものだが、その歌詞は今聴くとまた意味合いが変わってきてより響くものになっている。まさ

    星野源が『おげんさんといっしょ』で挑み続ける文化の継承 第4弾放送から感じた“豊かさ”の意味
  • 『MIU404』久住のセリフに込められた野木亜紀子の作家性 “自分の人生”を歩むために

    最終回の放送が終わって1週間経っても、話題になり続けている『MIU404』(TBS系)。多様な登場人物の中でも、謎がまだまだ多いだけに、菅田将暉の演じた久住のことが、いまだに気になってしまう。 久住は、捕まった後に、伊吹(綾野剛)や志摩(星野源)から当の名前やどこで育ったかについて聞かれ、「俺はお前たちの物語にはならない」と返した。この言葉から、いろいろな背景(物語)を、より考えてしまうという、久住の言ったことと逆の状態になってしまっている。 そもそも、この言葉は、『MIU404』と同じく野木亜紀子が手掛けた『アンナチュラル』(TBS系)の終盤、連続殺人の犯人の高瀬(尾上寛之)が、母親との関係性から犯罪を犯したと決めつける検事に対して「テンプレですね、何もわかっちゃいない」と返すところを思い出す。 ミコト(石原さとみ)が信じるのは事実のみで、「犯人の気持ちなんてわかりはしないし、あなたの

    『MIU404』久住のセリフに込められた野木亜紀子の作家性 “自分の人生”を歩むために
    gdno
    gdno 2020/09/11
  • 『MIU404』を印象的なセリフで振り返る “表の世界”を築くためのヒントに

    富める者が悪事を働いてまた富を築き、貧しい者は吸い上げられてまた貧しくなっていく。国も世間も弱者に厳しくあたる、真実も道徳も動作しない理不尽な日社会の中で、見えなかった(Not Found)ことにされる人々の小さな声に耳を傾け、法を守りながら彼らを救って未来を築こうと奮闘する「404」の物語だった『MIU404』(TBS系)。 「プライムタイムの民放ドラマで堂々と社会問題を扱うこと自体に意義がある」(引用:「MIU404」最終回目前に脚・野木亜紀子氏を直撃取材! | TVガイド)と言い切る野木亜紀子の脚は、日常にはびこる理不尽な問題に切り込み、人と人がかかわることで起こる人間ドラマを描きつつ、息つく暇のない「機捜エンターテイメント」に仕上げる見事なものだった。 ここでは1話から11話を振り返って、印象的なセリフ、ドラマのテーマに深く関わっているセリフなどを取り上げてみたい。 「機捜っ

    『MIU404』を印象的なセリフで振り返る “表の世界”を築くためのヒントに
    gdno
    gdno 2020/09/10
  • 『アンナチュラル』から『MIU404』へと続く“ピタゴラ装置” ゼロ地点から未来へ向けて

    ドラマ内で印象的に使われる、ピタゴラ装置。小さなビー玉がどんどん転がっていく道の途中には障害物とスイッチがあり、いくつもの分岐点を越えた先にゴールがある。 『MIU404』(TBS系)は毎回ひとつの事件を解決していく1話完結の形をとりながら、ドラマ全体が分岐をくりかえしてつながる、大きなピタゴラ装置になっていた。 たとえば「#1 激突」で志摩(星野源)は、伊吹(綾野剛)のパーカーにこっそりとボイスレコーダーを忍ばせる。最終話では逆に伊吹が、志摩のカバンに盗聴器を忍ばせる。どちらも「相手を信用していないから」した行為なのだけれど、そこまでの道でたくさんの分岐を繰り返した結果、同じようで違う意味の「信用しない」に変わっている。 「#2 切なる願い」で志摩は伊吹に「相手を殺した方が負けだ」「お前は長生きしろよ」と言い、「#6 リフレイン」で伊吹は志摩に「俺の生命線は長い」と笑う。「最終話 ゼロ」

    『アンナチュラル』から『MIU404』へと続く“ピタゴラ装置” ゼロ地点から未来へ向けて
    gdno
    gdno 2020/09/09
  • 『MIU404』は“0地点”にいる私たちの物語だった “世界のズレ”が大きくなる前に立ち止まる意義

    『MIU404』(TBS系)がついに最終回を迎えた。「密」も「ディスタンス」もない2019年10月時点では中止になるなんて思いもしなかった東京オリンピックは現在開催されず、2020年夏、我々はコロナ禍にいる。緊急事態宣言で撮影もできなくなり、テレビドラマ界自体が未曽有の事態に晒され、野木亜紀子はじめ『アンナチュラル』(TBS系)スタッフによる、綾野剛・星野源のW主演ドラマというだけで期待の呼び声高かった『MIU404』も例外ではなかった。長い放送休止期間を経て、ようやく始まったドラマが辿りついたその先には、紛れもなく副題同様「0地点」にいる我々の今があった。 「もしもあの時に戻れるなら」(第2話)、「できることなら罪を犯す前に戻りたい」(第2話)、「あれから何度も頭の中で繰り返す。あの時声かけていたら」(第6話)、「俺はどこで止められた? どうすればよかった?」(第8話)。 時間の不可逆性

    『MIU404』は“0地点”にいる私たちの物語だった “世界のズレ”が大きくなる前に立ち止まる意義