まさかiPhone 5の対応バンドが一国の携帯電話事業者の命運まで左右するとは――。ソフトバンクによるイー・アクセスの買収(関連記事)の緊急会見に駆けつけた記者は、一国の競争環境を変えるほどの影響力を持った米アップルのiPhone 5に対し、時代の変化を感じずにはいられなかった。 前述の記事に書いた通り今回の買収劇は、ソフトバンクグループが、iPhone 5でテザリングを可能にするために、同端末がサポートする1.7GHz帯(LTE Band 3、海外では1.8GHz帯と呼ばれることが多い)を保有しているイー・アクセスを周波数帯も含めて会社ごと買ったという構図である。この帯域は3Gの時代は世界的に活用する事業者が少なかったが、LTE時代に入り、欧州や韓国、アジアの事業者がLTEサービスを開始したことで価値が一変したのだ。 イー・アクセスについては、「いつか他社に買収されるのでは?」という噂が