■「尊皇」の心で難局を打開したい 昭和は、わが国の歴史においても例を見ないほどの激動の時代だった。では平成はどうだろうか? 日々の暮らしに精一杯のわれわれ民草は、ともすれば同時代の大きな変化に気付かないままやり過ごしてしまうものだが、後世の史家が振り返ったとき、平成は昭和と同様に、あるいはそれ以上に大きく動揺した時代だったと指摘されることになるかも知れない。 先帝昭和天皇が摂政に就かれた大正10(1921)年、大陸に中国共産党が創立され、翌年その北方にソ連邦が建国された。それから68年後の平成元(1989)年、昭和天皇の崩御から1年もたたぬうちにベルリンの壁が崩壊し、欧州では共産主義の敗北というかたちで東西冷戦に一応の決着がついた。 ≪昭和の壮挙の上に立って≫ 昭和の御代を通じて、日本は懸命に、健気(けなげ)に生きてきた。この間わが国にとっての最重要課題は共産主義の脅威からいかに国柄を守