「ヨコハマしか勝たん!」 デビュー戦となった5月3日の広島戦(横浜スタジアム)、五月晴れの高い空にトレバー・バウアーの声が響き渡る。試合後のヒーロー・インタビューで壇上に登場したバウアーは開口一番、笑顔とユーモアをまじえ詰めかけたファンを大いに盛り上げた。 さすがと言うしかないピッチングだった。立ち上がりこそボールが浮き、2回表にシンシナティ・レッズの元同僚であるマット・デビッドソンに高めのフォーシームを被弾され1失点を喫したが、その後はカットボールやカーブ、チェンジアップといった変化球を軸に修正力を発揮し、ゾーンを広く使いながら7回を98球、9奪三振で初勝利を挙げた。2020年にサイ・ヤング賞を獲得した投球術は健在だった。 いつまでも鳴りやまない拍手とバウアーコール。お立ち台でバウアーは「今までプレーした試合のなかで一番特別だった。雰囲気を作ってくれてありがとう。皆さんのことが大好きです