本記事では、数学定数のひとつである円周率の歴史(えんしゅうりつのれきし)について詳述する。 円周率 π は無理数であるため、小数部分は循環せず無限に続く。さらに、円周率 π は超越数でもあるため、その連分数表示は循環しない。その近似値は何千年にも亘り世界中で計算されてきた。 紀元前2000年頃 [値] (2) 1936年にスーサで発見された粘土板などから、古代バビロニアでは、正六角形の周と円周を比べ、円周率の近似値として 3 や 3+1/7 = 22/7 = 3.142857…, 3+1/8 = 3.125 などが使われたと考えられている[1]。 紀元前1650年頃 [学][値] 既に、古代エジプトでは、円周と直径の比の値と、円の面積と半径の平方の比の値が等しいことは知られていた。神官アハメスが書き残したリンド・パピルスには、円積問題の古典的な解法の一つが記されており、円の直径からその 1