<増え続ける非白人を脅威に思う地方の貧しい白人層に働き掛け、共和党の政治家には多額の献金──アメリカ政治に絶大な影響を及ぼしてきたNRAが窮地に追い込まれている> 全米ライフル協会(NRA)は過去40年間、アメリカ政治と共和党に最も大きな影響を与えてきたロビー団体と言えるかもしれない。毎年約4万人が銃で命を落としているにもかかわらず、多くのアメリカ人が銃を「自由」の象徴と見なしているのは、NRAの力によるところが大きい。 だが今、NRAは最大の試練に直面している。1月15日、NRAはニューヨーク州司法長官が起こした訴訟から逃れるため連邦破産法11条を申請し、登記先をニューヨークからテキサス州に移転すると発表した。 合衆国憲法が保障する個人の「武器を保有する権利」を声高に主張する強硬派がNRAの主導権を握ったのは1977年。彼らはそれ以来、銃規制は「全ての個人の自由」を奪う行為だと主張してき
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