先頃、国内から「You Tube」へのアクセスが禁止された中国。昨年3月のチベット騒乱時に、治安当局者がチベット人を暴行していた証拠となる映像が出回ったからではないかとみられている。いまだ伝えられない、そんな騒乱の真相、そして、1959年のラサ蜂起から50周年に当たる今年3月10日に現地で繰り広げられた光景とは──。日本の新聞社が続々脱落する中、中国当局が厳戒態勢を敷くチベットへ、フリージャーナリストが潜入取材を敢行した。 昨年3月14日、中国・チベット自治区ラサでチベット人による暴動が起こった。商店や自動車が放火されたり、人々が投石をしたりする様子がテレビで報じられたのを覚えている読者も少なくないだろう。この暴動はチベット自治区だけではなく四川省や青海省など、もともとチベットの国土だった全地域に飛び火した。いわゆる「チベット騒乱」である。 しかしこれは、「独立(中国風にいえば国家の分裂)