前々から、疑問だった。セックス関連のハウツー本がなぜそれほど売れるのか。 もちろん、ちょっとした興味も手伝ってヒットに押し上げられていることはわからなくもない。でも本気で悩んでいたり、満足のいく性生活を送りたいと思っているなら、そんな本を読むよりまずは相手をちゃんと観察したほうがいいんじゃないか。「こうしたらいい」「こうあるべき」というマニュアルが思い込みを深め、逆に相手との距離を広げてしまっていることもあるんじゃないかとつねづね思っていた。 タイトルだけ見ると、本書は「よくあるハウツー本」の一種として見過ごしてしまいそうな一冊だ。だがよくよく著者のプロフィールを見ると、類書とは一風異なる印象を受ける。 まずは著者二人が夫婦であること。つまり、男性側、女性側のどちらか一方の目線で書かれた本ではないことがわかる。 次に、二人が70歳を超えていること。この年代の人が性について正面から語ること自
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