30歳前後を指す”アラサー(Around Thirty)”という言葉が当たり前に使われるようになり、最近では60歳(還暦)前後を指す”アラ還”という言葉も出てきている。どちらも人生の一区切りといった年代だが、今回はそんなアラ還、アラサー向けの映画をそれぞれ紹介する。 5月16日から公開されている『60歳のラブレター』は、タイトル通りアラ還向け。定年退職後、子育て後の夫婦のあり方、いわゆる”第二の人生(セカンドライフ)”に悩む熟年夫婦も多いというが、そんな現代の夫婦像をとらえた群像劇だ。 中村雅俊と原田美枝子が演じる夫婦は、家庭を顧みずに仕事に打ち込んできたサラリーマンと、そんな夫の帰りをただ待つだけだった専業主婦。30年以上連れ添ったが、夫婦仲は冷え切り、夫の定年退職を機に熟年離婚。イッセー尾形と綾戸智恵が演じるのは、町の小さな魚屋を営む夫婦。憎まれ口をたたき合いながらも、なんだかんだで仲