TPPについては農業保護ばかりに議論が集まっていますが、それは本筋ではありません。いろいろな論点を提示する意味で、野口悠紀雄氏の意見を紹介しておきましょう。これは反対派の主張の中で、ほとんど唯一、検討に値する意見だと思われます。彼は今週の週刊ダイヤモンドでも書いていますが、ウェブに出ていないので、昨年末の記事を紹介しておきます。 彼は次のような例をあげて、TPPのような「関税同盟」が貿易を阻害するブロック経済になる可能性があることを指摘しています: 日本がタイとはFTAを結ぶが、中国とは結ばないとする。すると、タイに進出した日本の現地企業は、日本から部品を関税なしで輸入することができるので、生産コストを引き下げられる。したがって、日本とタイの貿易は増えるだろう。しかし、中国の現地工場はそうした利益は享受できない。したがって、本来は中国への部品の輸出を増やすべきなのだが、それが実現しないこと
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