ミケランジェロが『最後の審判』を描くより前、祭壇画としてペルジーノの『聖母被昇天』が描かれており、ミケランジェロは当初ペルジーノの画を残すプランを提案していた[2]。しかしこの案はクレメンス7世により却下され、祭壇の壁面の漆喰を完全に剥がされてペルジーノの画は完全に失われた(スケッチのみが現存する)。 ペルジーノが描いた『聖母被昇天』には、画の発注主であるシクストゥス4世の姿が描かれていたことが判っており、パッツィ家の陰謀により実父を殺されたクレメンス7世による、事件の黒幕とされるシクストゥス4世への復讐であった可能性が指摘されている。 『最後の審判』には400名以上の人物が描かれている。中央では再臨したイエス・キリストが死者に裁きを下しており、向かって左側には天国へと昇天していく人々が、右側には地獄へと堕ちていく人々が描写されている。右下の水面に浮かんだ舟の上で、亡者に向かって櫂を振りか