僕は、泣いていた。 僕は、昔から泣き虫で。 今も、ちっとも変わらない。 * 半月ほど前に僕と僕の初めての部下の話を書いた。 もう随分時間が経っていた昔の事だから、冷静に当時を振り返って書けるだろうと思って書き始めた。 でも、ダメだった。 途中からどんどん辛くなって、書くべきこともボロボロこぼれ落ちて。 最後まで書ききったというより、なんとか不時着したという具合だった。 「この人、自分に酔ってるよな」 というコメントを頂いた。 言い得て妙だ。 僕は酔っていた。 ただ、その酔いはナルシズムではなくて。 悪い風に当てられた、ひどい悪酔いだった。 * 僕は、変わりたかった。 でも、結局変われなかったのだと思う。 あの時ほどひどいことはもう起こさなかったし、起きなかったけれど、結果としてそれからも何人もの人間が傷ついて辞めていった。 僕に誰かを救うことなんて出来なかった。 最初からそんなことは出来る