「ずる賢い猿に騙されて死んでしまうカニ」「意地悪な継母に虐げられるヘンゼルとグレーテル」など、昔話や童話のなかには、ときに残酷な描写を交えることで効果的に寓意を伝えようとする作品も多い。子供心に残酷な描写が怖かったからこそ、『人を欺くと必ず自分に返ってくる』などの教訓を学んだという人も多いだろう。 しかし、昨今の教育現場において教えられる昔話や童話では、こうした残酷描写が省かれたり、内容が改変されることが多いという。 「学芸会で浦島太郎をやることになったのですが、浦島太郎の希望者が多かったので浦島太郎は5人。乙姫様の家来役のお母さんから『女性同士で優劣があるように見えると子供が傷つくんじゃないか』という意見があったので、家来の役をなくして乙姫様は10人にしました」(保育士) 「『さるかに合戦』では、猿がカニを殺すシーンが残酷すぎるということで、猿が謝ってカニと和解する、武力行使のない話に改