今週冒頭、浄土真宗本願寺派で開かれた同派の宗法改定を審議する第298回臨時宗会を傍聴しに、京都市の西本願寺まで行って来た。 …と言っても、おそらく大半の人はいきなり「宗法」や「宗会」と言われても何のことか分からないのではないかと思う。そこで本稿「(1)」では、そうした言葉の解説を中心に、現在の日本仏教の組織構造について解説したい。また、私がなぜそうした世界に関わるようになったのかについても語りたい。 宗教界のことはよく知っているし、別に筆者の人生にも興味がないという方は、次の「(2)」から読んでいただいてかまわない。 日本の仏教寺院の多くは、「宗派」という教団組織に所属している。天台宗や浄土宗、日蓮宗、曹洞宗などといった伝統教団については、その開祖である名僧たちの名前とともに、学校の歴史の授業などで習った記憶のある人も多いだろう。 宗教教団といえど組織である以上、そこには意思決定機関