◆放火事件判決 責任能力を認める 広汎性発達障害の一つアスペルガー症候群と診断された被告に、刑事責任能力がどこまであったかが争点となった裁判員裁判の判決が19日、山口地裁であった。向野剛裁判長は、現住建造物等放火罪に問われた田布施町別府、無職内山幸子被告(27)の責任能力を認め、懲役3年6カ月(求刑懲役5年)の実刑判決を言い渡した。 判決は、内山被告がアスペルガー症候群により、自宅を放火することにこだわりを持っていたことは認めたものの、「父や伯母に危険が及ばないように常識的な判断で自分をコントロールしている」と判断。「行動を抑えることが著しく困難な状態ではなかった」として、責任能力があったと認めた。 実刑とした理由については「社会での更生は期待し難く、再犯の可能性もある」と指摘する一方で、「(障害は)生まれつきで、本人にはどうしようもない。早期に発見し、治療されていれば症状の緩和も見