大学の授業で講義資料を作ったので,Qiitaにも展開しておきます. 背景: クロック周波数の停滞とコア数の増加 コンピュータはクロック周波数に同期して計算をします.おおむね1秒間にクロック周波数の数で示されるだけの数の機械語命令を実行できると考えると良いです.たとえばクロック周波数が1GHzであれば,1GHz=1,000MHz=1,000,000(百万)kHz=1,000,000,000(10億)Hzですので,1秒間に1,000,000,000(10億)個の機械語命令を実行できるというような感じです.もちろんこれは概算です. いわゆるヘネパタ本(J. L. Hennessy & D. A. Patterson: Computer Architecture: A Quantitative Approach, 6th edition. Morgan Kaufmann, 2017; 邦訳 中條・