不況が長期化する日米欧の先進諸国を尻目に、中国やインドなど新興国の経済成長が続いている。主要な新聞やテレビ報道に目を向けると、日本の大企業が新興国市場に積極的に打って出るとの前向きな見出しが躍る。実際、いち早く中国市場に注目していた日産自動車は、同国での販売好調が業績全般を牽引した。 他にも建機やインフラ分野で、中国・インド市場に乗り出して高収益を叩き出した日本企業は多い。新興国市場が日本企業にとって新たな収益源となっていくのは間違いない。 だが、新興国市場には意外な落とし穴も存在する。最先端技術の動向を絡めて、その落とし穴を分析してみよう。 「こんな高い商品を新興国で誰が買うのか」 「クルマも電機も日系の大メーカーは大きな誤解をしている。新興国でコケるのが目に見えている日系企業のEV事業に一切関わるつもりはない」・・・。 数カ月前、ある電機部品メーカーのトップが、アナリストミーティング終