名古屋大学などの研究チームは、ナス科タバコ属の植物がマメ科やキク科など科の異なる植物と接ぎ木でき、その要因として“接着剤”の役割を果たす酵素が関係していることを発見した。耐病性の高い台木にトマトなどを接ぐことができるようになる研究成果で、米国科学誌「サイエンス」に掲載された。 名古屋大学と同大学発のベンチャー企業の他、帝京大学、理化学研究所、中部大学の共同研究。接ぎ木は少なくとも2000年以上前から農業で果菜類を中心に使われてきたが、同じ科の植物同士でしか成立しないと考えられ、仕組みは未解明だった。 研究チームは、ナス科タバコ属の植物・ベンサミアナタバコなどと、マメ科やキク科など異なる科の植物でも接ぎ木ができることを発見。タバコ属の植物を中間台木にして、トマトの穂木と菊の台木を接ぎ木することにも成功した。 ベンサミアナタバコなど7種のタバコ属の植物を試すと、38科73種で接ぎ木ができた。