上映中止が問題となった映画「靖国」の中心的な登場人物で高知県内に住む刀匠の出演をめぐり、有村治子参院議員(自民)が国会で「刀匠本人が出演場面を外してほしいと希望している」と取り上げた。これに対し、制作した李纓(リ・イン)監督は10日、「刀匠は納得してくれていた。変心した理由がわからない」と語った。 刀匠は映画の冒頭から登場し、作業場で刀を制作する様子などが描かれている。 有村議員は3月27日、参院内閣委員会で「刀匠は作品から(自分の)映像を一切外して欲しいと希望している」と取り上げた。有村議員はその前々日に刀匠本人に確認を取ったという。 10日、朝日新聞の取材に応じた刀匠(90)とその妻(83)によると、05年に李監督側から出演依頼の手紙が届いた。戦後、伝承されなくなった靖国刀の最後の刀匠として取り上げたいとの内容だった。刀匠は承諾し、李監督は靖国刀を制作している場面などを撮影した。