知らぬ間にパソコンが乗っ取られ、犯人に仕立て上げられる遠隔操作ウイルス事件が、誤認逮捕の発覚から約4カ月を経て、「真犯人」とみられる片山祐輔(ゆうすけ)容疑者の逮捕という新局面を迎えた。捜査は全容解明に向けて大きく動き出したが、事件は警察の捜査力に大きな疑問符を突き付ける結果に。警察をあざ笑い、捜査を振り回した「新たな劇場型犯罪」を振り返る。 すべての始まりは昨年6月29日、横浜市のホームページ(HP)に書き込まれた、小学校への襲撃予告だった。神奈川県警はIPアドレスなどから東京都内の少年の犯行と断定。県警は7月1日、威力業務妨害容疑で逮捕した。少年は逮捕後も「何もやっていない」と否認したが、送検後に一転して容疑を認める上申書を提出。家裁送致され、保護観察処分が決定した。 7月29日には大阪市などのHPに無差別殺人予告が届き、大阪府警が8月、吹田市内の男性を逮捕。その後も警視庁が幼稚園への