麻生太郎財務大臣が不可解な発言を繰り返している。 まず、連休中の5月4日に、訪問先のフィリピンで、同行した記者団に対して 「セクハラ罪という罪はない」 という旨の発言をしている。 当然のことながら、このコメントはすぐさま多方面からの批判を招いた。 で、それらの抗議や反発の動きに対応して、なんらかの釈明があるものと思いきや、連休明けの8日、財務相は、フィリピンでの発言について問われると、 「セクハラ罪という罪はない」 と、再び同様の発言を繰り返し、ついでのことに 「(セクハラは)親告罪であり、傷害罪などと違って訴えられない限りは罪にならない」 との説明を付け加えた。 いったい何を考えているのだろうか。 「セクハラ罪」という罪名が、六法全書に書いていないというのであれば、その点は大臣のおっしゃるとおりだ。 が、「セクハラ」と総称される行為が、結果として強制わいせつ罪のような罪名で裁かれているこ
『辞任の前川・前文科次官、出会い系バーに出入り』 という記事(こちら)が読売新聞に掲載されたのは、月曜日(5月22日)のことだった。 一読して驚嘆した。 とてもではないが、全国紙が配信する記事とは思えなかったからだ。 記者は、前川前次官が 《……在職中、売春や援助交際の交渉の場になっている東京都新宿区歌舞伎町の出会い系バーに、頻繁に出入りしていたことが関係者への取材でわかった。》 ことを伝えたうえで 《教育行政のトップとして不適切な行動に対し、批判が上がりそうだ。》 と書いている。 正直なところを申し上げるに、失笑せずにはおれなかった。 「批判が上がりそうだ」 という文末表現の真骨頂を、久しぶりに見た気がしたからだ。 解説する。 「批判が上がりそうだ」 というこの書き方は、新聞が時々やらかす煽動表現のひとつで、「批判を浴びそうだ」「議論を招きそうだ」「紛糾しそうだ」という、一見「観測」に見
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