甲子園に初出場した4年前、旋風を巻き起こして今年の春には全国制覇。 プロ注目の投手を擁する夏の本命は、県予選準々決勝であっさりと姿を消した。 ここまで強くなった要因、そして歯車が狂うことになるきっかけはどこにあったのか。 佐世保野球場の空をびっしりと覆い尽くした暗雲。 それに加え、この日は、日本では46年ぶりという皆既日食の日だった。午前中だというのに照明に灯が入り、雲間からはときおり月に遮られ、爪の切りかすのようになった太陽が顔をのぞかせていた。どこか非現実的なその現象を眺めていると、古代、人人が日食を凶兆として恐れたのもうなずける。 1回裏に2失点。 あの絶対的なエースが、である。清峰の背番号1を背負う今村猛はこの春、全国制覇を成し遂げた選抜大会では、5試合で計44回を投げ、わずか1点しか奪われていなかった。 甲子園の常連校、長崎日大を相手に0-2からのスタート。重くない