【三桂クラブ】勝負師が火花 燃える見物人 印刷 ソーシャルブックマーク 昭和の薫りと人情味があふれる「三桂クラブ」。地元の常連だけでなく、全国から将棋ファンが訪れる=大阪市浪速区、伊藤恵里奈撮影絵・グレゴリ青山 串カツ屋やどて焼き屋、立ち飲み屋などが軒を連ねる、大阪・新世界の「ジャンジャン横丁」。道幅3メートルほどの商店街の一角に、敗戦後から営業を続ける将棋囲碁クラブの「三桂(さんけい)クラブ」がある。 幅6メートルの店の表側はガラス張り。店内は奥行き30メートル、棋盤と碁盤が計60面ずらりと並ぶ。ハンチング帽に首かけタオル姿。そんなおっちゃんたちで午前中からにぎわっている。分煙や禁煙が叫ばれる時代だが、ここではお構いなし。あちこちで紫煙が立ち上る。120円の瓶入り牛乳でのどを潤し、100円のあんぱんをほおばりながら、視線は盤上から動かない。 この熱気と迫力に、通りがかった若いカップルやル