2001年時点の調査によれば,米国では半導体事業に直接携わっている人は28万人おり,日本では19万人いると言われています.日米ともに半導体は大きな雇用を抱える産業です.米国では,その中で株式公開しているファブレス(Fabless)半導体企業の従業員数はおよそ6万人です.一方,株式公開している日本のファブレス半導体企業の従業員数は合計で1千人にも満たない現実があります.つまり,ファブレス半導体ベンチャの企業数および雇用に関しては,日米で大きな格差があります.世界有数の技術力を保有する日本の半導体産業を回復させるためには,官民の英知と資本を結集し,世界に通用するファブレス半導体ベンチャの多発的な創業が必要と言えます.そこで本稿では,ファブレス半導体ベンチャを起業する上でチャレンジすべき大きな課題を三つに整理してまとめ,ファブレスの多発的創出(ファブレス半導体ベンチャの起業活動の活性化)に向けた