北極上空約20キロのオゾン層の濃度(2011年3月観測)。(c)AFP/NASA/JPL-Caltech 【10月3日 AFP】米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)の科学者らは2日、北極上空で今春、カリフォルニア州(California)の5倍の広さのオゾン層の破壊が確認されたとの研究結果を報告した。観測史上初めて、南極のオゾンホールに匹敵する大きさとなった。 このオゾン層の破壊は、一時は欧州東部、ロシア、モンゴル上空にまで広がり、一帯に住む人びとを一時的に通常より高い紫外線にさらしたとみられる。 北極と南極のオゾン層は、それぞれの冬から春にかけて濃度が低下する。 上空で気温が非常に低い状態になると、水蒸気と硝酸の分子が凝縮された雲が下部成層圏に形成され、この雲の中で大気中の塩素分子が反応性化合物となり、オゾン層を破壊する。 南