最高時速は200km、立ち客を含めた乗客定員は1500人——。にわかに信じがたい話だが、そんな通勤電車が中国の珠江デルタで市民の都市間移動に貢献している。はたして通勤高速電車はどんな使われ方をしているのか。現地でその様子を垣間見た。 中国南部の珠江デルタは広東省の一部だ。広東省南部の省都・広州を三角形の頂点とし、南東側先端は香港、南西側先端がマカオとなる。この3点を結ぶエリアを一般的に「珠江デルタ」と呼んでいる。もともと珠江沿岸もしくはその支流沿いに多くの街があるが、これら各自治体は1990年代前半に始まった経済開放の波に乗り、積極的に外資の導入を図り、各国から工場を誘致した。日本からも多くの企業が進出、当時は「世界の工場」ともてはやされた。 そんな背景もあり、人の出入りが他の中国の地方に比べ極めて頻繁で、かつ、香港やマカオをゲートウェーに外国人や華僑・華人のビジネス需要も多く、1997年
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