獣医学部については、北里大での昭和41年の開設を最後に、需要が充足しているとして文科省が59年以降、新設を認めない方針を堅持。一方、文科省はその裏で天下りの恩恵を受けていた。内閣人事局への再就職届け出状況によると、最近では文科省OBが獣医学部のある麻布大に非常勤として再就職している。 定員が原則抑制されている医学部や歯学部でも事情は同じだ。一連の天下り問題では、文科省人事課職員がOBを通じて福岡歯科大に職員の再就職を斡旋(あっせん)した事案が違法認定された。 加計学園問題の背景について、元通産官僚で評論家の八幡和郎氏は「岩盤規制を守ろうとした文科省が内閣府に負けた」と指摘。「行政がゆがめられた」と主張する前川氏については「現職中に辞職覚悟で戦うべきだし、それもできたのに、退職後に批判するのは的外れだ」としている。(花房壮)