映画にもなった『テルマエ・ロマエ』は、文化、宗教において日本とローマの共通点を引き出していく点で、『ローマ人の物語』の継承作品である。あくまでギャグ漫画に分類されながらも、非常に教養の高い作品である『テルマエ・ロマエ』は、『ローマ人の物語』がなければ、あれほどのヒットは難しかったかもしれない。 しかし、『テルマエ・ロマエ』がヒットしながらも、『ローマ人の物語』の再ブームは起こらなかった。『ローマ人の物語』の内容が合わなくなったわけではない。『ローマ人の物語』の多神教礼讚、一神教批判の視点は、今も生きている。イラクにイスラム国が誕生し、イスラム国のリーダーがカリフを称し、周辺に攻撃を仕掛ている。非イスラム教徒に改宗を迫り、逆らえば虐殺している。 このような情勢に、日本人は一定の関心を持ちながらも、主な関心は国内と韓国、中国との関係となっている。 イスラム国への関心が少ないことが問題なのではな
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