化粧品メーカーとして知られる資生堂は、アートとの関わりが特に深い企業だ。同社が発行する企業文化誌『花椿』では、ファッションとアートを架橋する試みが多く行われているし、遡れば初代社長の福原信三は、大正期の写真表現を支えた写真家でもあった。そんな資生堂が年に一度開催するのが公募展『shiseido art egg』である。毎回3名(組)の新進アーティストを選抜し、資生堂ギャラリーでそれぞれの個展を開催してきた同企画は、宮永愛子、曽谷朝絵ら現在第一線で活躍する表現者たちをバックアップしてきた。 8回目を迎えた今年選ばれたのは、加納俊輔、今井俊介、古橋まどかの3名。今回は先陣をきって1月10日より展覧会を行なっている加納にインタビューを行った。一見難解なコンセプチュアルアートを作るようにも見える加納俊輔。しかし話を聞いて出て来たのは、RHYMESTERの宇多丸や桂枝雀といった、異分野のアーティスト