笑顔で握手する(左から)渡辺捷昭社長、トヨタ自動車社長への昇格が内定した豊田章男副社長、張富士夫会長=20日夜、東京都文京区 「現場に一番近い社長でありたい」-。トヨタ自動車の新社長となる豊田章男氏(52)は20日の記者会見でこう抱負を語った。 根っからの“カーガイ”で知られ、今月9日には、千葉市の幕張メッセで開かれたカスタムカーの展示会に“お忍び”で登場し、驚く来場者を前に「クルマって本当に面白いですよ」と笑顔で語りかけた。 トヨタが“大政奉還”に踏み切り、14年ぶりに創業家出身の社長が誕生することになるが、今期は初の連結営業赤字に転落する見通しになるなど強烈な逆風下での登板になる。近年の急拡大も裏目に出て「兵站(へいたん)が伸びきった」(奥田碩相談役)状況に陥っている。今後、創業家の旗の下で大改革を進めることになる。 創業家出身で豊田章一郎名誉会長(83)の長男でもある章男氏。「トヨタ