[Part1] Kindleの表示画面技術、買収したのは台湾最大の製紙会社だった 机の上に、ティッシュボックスが一つ。大輪の花の絵柄に「五月花」の文字が入るパッケージは、台湾の人なら誰でも知っている。つくっているのは、台湾最大の製紙会社、永豊余(YFY)だ。3月下旬、記者(鈴木)はその応接室にいた。 台湾ではおなじみの永豊余のティッシュボックス「五月花」=鈴木暁子撮影 2009年末、電子ブック端末の基幹技術「イーインク」をもつ米国のE Ink社を、子会社のPVIを通じて買収したのが、YFY社だった。買収コストは優先株の譲渡を含め総額4億ドル以上になる見通しだ。 寝不足なのだろう。応対してくれたPVI会長、劉思誠の目は真っ赤だった。米国から戻ってきたばかり。明日は中国大陸に飛ぶのだという。 米国の書籍流通大手アマゾン社が販売する「Kindle(キンドル)」をはじめ、世界の電子ブック端末のほと