1 宮島地域のシカについて 宮島に生息するニホンジカは,野生動物として自然生態系の重要な構成種であるとともに,住民により大切に扱われてきた歴史があり,また観光要素の一つでもあり,人と密接に関わりながら生息しています。 しかしながら近年市街地周辺に集中して生息するようになり,シカによる住民の生活環境被害や観光客への危害が問題化してきました。また,シカ自体にも人為的な環境への依存や過密状態によって,異物の誤食による健康被害などの弊害が見られるようになりました。 2 シカ問題への対策の経緯 平成10年度には旧宮島町が「宮島町シカ対策協議会」を発足させ,これらの問題について検討し,シカの野生復帰の方針を示しましたが,解決には至っておらず,その後,平成18年度に環境省がシカの植生被害調査を行い,また市からの要望を受けて,平成19年度には県がシカの生息状況調査に基づく保護管理報告書を作成し,市に提供し