親が複数の子どものうち1人の息子だけに全財産を相続させる遺言を作ったのに、その息子が先に死んだ場合、息子の子である孫は取り分をそのまま相続できるか――。そんな相続問題が争われた訴訟で、最高裁第三小法廷(田原睦夫裁判長)は22日、「原則として引き継ぐことはできない」との初判断を示した。 高齢化が進んで親が長生きする一方、病気などで子が先に亡くなることも珍しくないが、こうした場合の相続には法律上の明確な決まりがなく、下級審の判断が分かれていた。最高裁が統一した判断を示したことで、相続をめぐるトラブルが減りそうだ。 争われたのは、金沢市に不動産を持っていた親から子への相続。父の死去で半分を相続した母が1993年、息子だけに全財産を相続させる遺言書を作成した。 ところが2006年9月に母が亡くなる3カ月前、息子が先に死亡。遺言によって取り分が減ってしまう娘が無効を主張し、訴えられた孫側は「遺