2012年2月に会社更生法の適用を申請したDRAM大手のエルピーダメモリは今年7月末、同業の米マイクロン・テクノロジーの完全子会社となった。経営破綻以降も社長を務めていた坂本幸雄氏は完全子会社化を機に退任し、現在は台湾の半導体生産受託企業の聯華電子(UMC)日本法人のシニア・アドバイザー。これまで口を閉ざしていた坂本氏が経営破綻の舞台裏を語った。パソコンなどに搭載されるDRAMで世界3位のエルピーダ。1999年にNEC、日立製作所のDRAM事業が統合して前身企業が発足した。坂本氏は米テキサス・インスツルメンツ(TI)日本法人などを経て02年にエルピーダ社長に就任。03年に三菱電機の同事業を買収し、日本で唯一のDRAMメーカーが誕生した。坂本氏はスピード重視の社内改革を断行、低迷していた業績を立て直した。しかし、08年のリーマン・ショック後、市況悪化や円高で業績は再び悪化した。破綻への序章は