湘南海岸を代表し、年間300万人超の来客数を誇る藤沢市の「片瀬西浜海水浴場」の海の家で今夏、音楽放送が全面的に禁止される。ここ数年、一部の店が大音量のダンスミュージックを流し、近隣からの苦情が相次いでいた。市や警察からの自粛要請も受けて、海水浴組合が徹底した自主規制の方針を決めた。穏やかな夏の湘南はよみがえるか。 片瀬西浜海水浴場は、8月のトップシーズンに入ると、昼すぎには、数店の海の家から地響きがするほどの重低音が鳴り始める。店内や周囲では水着姿の男女が身をよじるように踊る。日没にかけてボルテージは高まり、午後8時の閉店まで若者たちがはしゃぎ続ける。 特に、日没後も海の家を営業している西浜の数店が顕著だ。重低音は海を隔てた江の島や、国道を越えた住宅街にまで響き渡る。 約20年前から海沿いに住む自営業男性(64)は「最近は特に信じられない状況。しかも真っ昼間から水着姿の男女が酒に酔っ