文部科学省が公立学校の「週6日制」復活の検討を始めた。現在、休日の土曜日に学校で授業をする訳だ。理由はいろいろあるらしい。学習指導要領が変わり、教える内容が増えて過密になった平日の授業を土曜日に振り分ける。あるいは、多くの私立校が土曜授業をしており、公私の学力格差が広がる懸念を払しょくするのだという。 1992年以前、毎週土曜日は半日授業だった。今の大人には当たり前の学校生活で、関西の友人に聞くと「授業が終わると走って帰り、テレビで吉本新喜劇を見るのが楽しみだった」などと懐かしそうに話す。 午後にたっぷり部活動に打ち込む時間もあった。 毎月第2土曜日が休みになった92年。「子供たちの受け皿はどうするのか」「塾通いが激増するのでは」と世間は大騒ぎしたが、それはほぼ杞憂(きゆう)に終わり、2002年から完全5日制になった。理念は「家庭・地域に子供を戻し、生きる力を育む」だった。家族のライフスタ